エッセイ 妖怪になりたい 水木しげる
![]() | 妖怪になりたい (河出文庫) 水木 しげる (2003/05) 河出書房新社 この商品の詳細を見る |
「死にたくなったら本を五十冊読みなさい、それでもたりないなら百冊読みなさい」
と、言うようなことを言った作家がいたような気がする。
それもオーケンのエッセイで読んだことだから定かじゃないけどね。
でも、死にたくなったら「妖怪になりたい」この一冊だけで良いような気がする。
……、死にたいときに大宰とかは良くないと思うんだ。
私は漫画家の書く文章ってのが好きだ。
なんていうのか、普通の作家とは違い、言葉が素直。言葉のレトリックを用いてないストレートさがたまらない。
……その、漫画家言葉の最高峰にいるのが、やっぱり水木さんだ。
よくよく考えると「それって大変なことじゃない?」ってなことを、さらっとした文体で書いていたりする。
ああ、たまらない……。
自分の言語感覚がうまくつながらない事とか、五十人はいれる演芸学校に一人落ちたこととか、軍隊に入って毎日上官に殴られていた事とか……。
……それもサラッと書いてしまう。
そのくせ、一文一文の間にひっそりと、時にドキっとしてしまうような言葉が潜んでいるのだ。
この本を読むと、ちょっとだけ明日が明るく見えるから不思議だ。
あと、私の好きなインド紀行もちょっとついていて、私はそれでうれしくなっちゃうのだ。
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